まきまき花巻会いたい“頼りあい”で子育て家族をサポート!花巻に「子育てシェア」の輪を広める、ママサポーターとは?
“頼りあい”で子育て家族をサポート!花巻に「子育てシェア」の輪を広める、ママサポーターとは?
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「子育てシェア」とは、事前に地域交流会を通じて顔見知りになったママやパパが、子どもを預けあう仕組みのこと。民間企業の提供サービスですが、昔ほど気軽に子どもを預けあえる環境ではなくなってきた現在、地域に子育て支援の仕組みやコミュニティがあることは、子育て家族にとっては心強い事ではないでしょうか。今回は、「子育てシェア」の仕組みを広める担い手「ママサポーター」として活動する、花巻市在住の三上千尋さんに、ママサポーターとしての取り組みや、花巻の子育て環境についてお話を伺ってきました。

地縁の薄いまちでは大変だった子育て

盛岡でのイベントの様子

花巻市出身の三上千尋さんは高校卒業してから、山形県の短大に進学。その後は岩手や名古屋で仕事をしていましたが、結婚出産を機に盛岡市へ移り住みました。ご主人は青森県出身ですが、小学校3年生から盛岡で暮らしていたこともあり、千尋さんとは同郷にあたります。

「知り合った当時、主人が東京と岩手の2拠点で仕事をしていたこともあって、私が子育ての場所として岩手を希望していたことには理解を示してくれました。本人もいずれ岩手に軸足を置こうと考えていたようでした。それで2014年、子どもができたタイミングで、主人の岩手の職場に近い盛岡市に引っ越しました。」

千尋さんは出産後、いったんは盛岡で仕事を再開しようとお子さんを預ける保育園を探しましたが、待機児童の壁に阻まれ、一時断念。子育ての環境はもとより、ご自身のその後のキャリアのことなども家族で話し合い、2016年3月には実家のある花巻市に移り住み、4月から花巻市内で仕事に復帰することができました。

千尋さんが「ママサポーター」として活動するきっかけ

仕事に復帰するまでの間、千尋さんは「子育てシェア」というサービスを知ります。これは株式会社AsMamaが提供するもので、子育ての支援を必要とする人と、支援を提供したい人をつなぐ仕組み。支援者は、同社が提供する無償の託児研修を受講すると「ママサポーター」(以下、ママサポ)に認定されます。ママサポは地域内でパパ・ママの友人の輪を広げ、子どもたちの送迎や託児を積極的に支援していきます。

自治体が提供する「ファミリーサポート」といったサービスと異なるのは、預かる場所や時間が限定されないこと。そして、センターが両者をマッチングするのではなく、子育てを頼り合いたいパパ・ママ同士が事前にお子さんと一緒に参加する地域交流会で顔見知りになっている点です。ママサポは、親同士が気軽に交流できるよう、この地域交流会を積極的に企画します。

「私は大きくわければ岩手にUターンしてきた人間ですが、盛岡では子どものことで頼れる友人・知人がいなくて困っていたところでした。最初は子どもを預けたい利用者として子育てシェアに登録していたのですが、2015年の夏、たまたま岩手出身のママサポさんが、帰省のタイミングで地域交流会を開いてくれるとのことで、初めて参加しました。子育てのことなど、1時間くらいママサポさんや他の参加者の方とおしゃべりをして、とても気持ちがスッキリしました。」

初めて参加した地域交流会

上の写真は初めて地域交流会に参加した時のもの。子育てで疲れ切っていた状態でしたが、「ママサポに話を聞いてもらって、心が軽くなりました。」と語る千尋さん。会が終わる頃(下の写真)には、気持ちがスッキリ晴れ、自然と笑顔になっていたといいます。

地域交流会参加後の様子

「ママサポさんが『子育てはもっと頼っていいんだよ』って話されていて、目から鱗が落ちました。そんなつもりはなかったけれど、周りに頼る前にひとりで頑張りすぎていたのかなと。そうやって、子育てを少しずつ頼りあうことで、子育て家族の気持ちも楽になるのかなと思います。そんな経験から、知れば知るほど、この頼り合いの仕組みをもっと知ってもらいたいと思うようになり、ママサポの資格もとって活動するようになりました。」

ママサポの主な役目は、伝える、つなぐ、預かるという3つ。千尋さんは口コミやネットで情報発信し、週末を使って積極的に地域交流会を開き、お子さんを預かることもあります。

「一度頼れば、安心して預けることができます。私も、何度も預かっているお子さんがいます。預ける先が“A君のママ”と分かる存在のほうが、親も子も安心しますよね。それに、運営企業のルールで、ママサポが主催するイベントも預かり期間も保険の適用範囲なので、その点も預ける側としては安心だと思います。」

子どもは地域の宝物

ママ友さんとの写真

平日はフルタイムで介護職として働き、週末はママサポの活動と、多忙な日々を送る千尋さんですが、その様子は気負うところもなく、いつもお子さんと一緒のことが楽しそうに見えます。

「子どもと『消防車を見に行こうか』となった時に、じゃ、ついでに地域交流会もやっちゃおうというノリで開いています。大勢で見に行ったほうが楽しかったりしますよね。よそのお子さんをお預かりする時も、もちろんうちの子どもは一緒です。親子一緒に出かけることで足手まといになったり、迷惑をかけたりするかもしれないけど、私は子どもと一緒にいたいし、同じようなパパ・ママたちにも萎縮してほしくないなと思うんです。」

子育てシェアのチラシ

こう笑顔で語る千尋さんは、花巻はもとより岩手の「ママサポ」として心強い存在になりつつあります。ママサポとしてだけでなく、今後チャレンジしたいことについて伺いました。

「本職が高齢者の介護職というのもありますが、地域で高齢者と子どもたちが一緒に交流ができるような場がつくれたらいいなと思っています。そして子育てに限らず、何か頼れる先を『家族』から『地域』に広げたい。昔の長屋づきあいに似ていますね。住んでいる地域でそういうおつきあいが広がっていけばいいなと思うんです。子どもってやっぱり地域の宝物。目をキラキラさせて遊べる環境を、親だけがつくるのではなく、いろんな人を巻き込んで地域一帯で作れるといいですね。そのためにも、気軽な関係で頼り合いができるこの『子育てシェア』を知ってほしいし、ママサポを頼ってほしい。そしてママサポとなってくれる方も増やしていきたいです。」

子育てに花巻市がおすすめな理由

お子さんと遊ぶ三上さん

最後に、子育てをしている家族にとって花巻市の子育て支援や環境はどう映っているのか、尋ねてみました。

「花巻の子育て環境は、いいほうだと思います。花巻市民なら安く受けられる産前産後ケアのサービスもありますし、未就学児童、未就園児童が対象の『こどもセンター』の存在も大きいですね。地域に対してかなり開けている印象があります。公共施設は行くだけでもけっこう勇気がいります。その点、花巻の『こどもセンター』には入りやすさがあります。子どもの遊びたいように遊ばせてくれますし、保育士の先生たちもいてくれて、親からの相談にも積極的にのってくれます。親同士って、その場にいたら話してみたいけど、社交的でないとなかなか難しい!そこに先生たちが入って、自然と話しやすい雰囲気を作ってくれるんです。そういう環境づくりに積極的にかかわってくれるのはありがたいですね。」

マルカンビル木育広場

「民間だと、プライベートでもよく使わせてもらっている、『マルカンビル木育ひろば』など、大食堂に来た親子がちょっと遊んで帰る、というように使える場所が増えてきたのも嬉しいですね。子どもを遊ばせているうちに、大人も顔見知りのお友達になり、お互いに子どもを見守りながら、おしゃべりして息抜きやリフレッシュしています。 この間は、地域交流会でも使わせてもらいました。」

「今後の子育て環境は、多世代間の交流をしながら、花巻の産業や農業、歴史や文化を子どもたちへ受け継いでいける学びや遊びの場を作ってほしいなと思います。」

さらに話を聞くと「自分が生まれ育った場所で子育てできることに喜びを感じている。」という千尋さん。花巻出身でUターンならではの実感ですが、Iターンの方にとっても、花巻というまちを評価するひとつの目安になるのではないでしょうか。

千尋さんに連絡を取りたい場合は、AsMamaのホームページから「子育てシェア」に登録すると、メッセージが送れたり、イベント情報が見れたりするとのこと。千尋さんに会ってみたい、地域交流会に参加したいという方は、見てみてはいかがでしょうか。

お子さんと写る千尋さん

自らもママとして子育てをしながら、「ママサポーター」として活動する千尋さん。ご自身の苦労や経験から、同じ悩みを抱えるパパ・ママと支え合いたいと活動されるその姿は、地域の子育てを見守る温かな存在として映りました。

私が書きました
岩手移住計画

岩手移住計画は、岩手にUターン・Iターンした人たちの暮らしをもっと楽しくするお手伝いをし、定住につなげていくために活動している任意団体です。県内各地で、「岩手移住(IJU)者交流会」と題したイベントを開催しているほか、岩手県などが主催するUIターンイベントにメンバーが参加し、移住希望者の相談にも対応しています。首都圏と岩手をつなぐ活動にも力を入れています。