花巻市では、Uターン・Iターンなど他自治体からの移住者や、花巻と他地域との間の2拠点生活者、花巻に来てまち、ひとと交流してもらえる人たちを増やすための施策に力を入れているが、まずはたくさんの人たちに花巻を知ってもらうためのツールとして、よくあるパンフレットのような紙媒体ではなく、電子ブックを利用している。
なぜ電子ブックなのか。パンフレットを始めとする紙媒体では広く伝えるのに限界がある。webだと移住フェアなどの際に手渡しできる資料を作るのが難しい。電子ブックならば全国どこからでも検索して見ることができ、また資料を印刷する際も紙媒体の形で作ることができる。ネットと紙の2つのメディアのいいとこ取りになっているのが電子ブックだからだ。
この電子ブック版移住ガイドのタイトルは「花巻ひと図鑑」。花巻にはたくさんの物産やおいしいもの、美しい景色、豊かな自然、観光地、歴史を持っているものの、実は全国各地、それぞれの地域ごとにそういうものはたくさんある。それでは花巻に注目してもらうための「花巻ならでは」「花巻にしかない」のは何か。それを考えた時に「ひと」というひとつの答えを見つけた。「ここにはこんなひとがいる」「このひとと繋がりたいと思うひとは花巻へ」そういうことを伝えたいという思いが「花巻ひと図鑑」になった。
2018年度版で紹介されているのは5人。Uターンで起業した若手ベンチャースタートアップ、クラウドファンディングを使って農家カフェを始めた若手農家、シングルマザーのフリーデザイナー、花巻に移住して子育てしつつ新しいコミュニティを作ろうと奔走するママ、そしてファミリーで移住し、市の空き家バンクで見つけた家を自らリフォームしている夫婦が掲載されている。それぞれ花巻市の手厚い施策を利用し、仕事に、子育てに、生活に生かしている方々だ。「花巻ひと図鑑」にはそれらの施策も一覧で掲載されている。この部分は年度ごとに最新のものに更新される予定だ。
まちはひとの集まり。「花巻ひと図鑑」には来年度以降も掲載者を増やしていく計画とのことだが、それぞれのひとが持つ魅力の集まってこそ花巻の魅力なのだと思う。
ひとを呼ぶのはひと
ひとを惹きつけるのはひと
つながるひとが ここにいる