「花巻傘」を、見て、知って、触って、聞いて、、、全身で感じられる展示会が、大迫にある総合文化財センターにて開催されます!
花巻には、旧石器時代から近世にいたる1000ヶ所にもおよぶ遺跡(埋蔵文化財包蔵地)があるのだそう。これらの遺跡の発掘調査、出土品の整理分類、収蔵保管を行うのが総合文化財センターなのですが、もう一つ、重要な役割があります。
それは、文化財についての情報発信です。
そんな情報発信の一環として、6月22日から、花巻の伝統工芸「花巻傘」についての企画展示が開催されます。「花巻傘」が花巻市の無形文化財に指定されてちょうど10年を迎えることから企画されました。
企画展開催前の準備中のところをお邪魔し、取材させていただきました。
伺わせていただいたのは、開催日の10日ほど前。
数日前に、滝田工芸さんや花巻市博物館等から物品を借りてきたばかりなんですよ、と仰っていたのが信じられないくらい、すでに整然と展示物が陳列されていました。
傘の起源、様々な自然の材料で作られている笠と蓑。
麻、綿羊、しな、蚕など、実際に触って、素材の違いを感じられるコーナーとなっています。
柄のついた、いわゆる「傘」が一般に普及したのは江戸時代のこと。
浮世絵などの題材にも登場します。
一時は、岩手県内の約半数の傘屋さんが花巻に居たともいわれている「花巻傘」の職人さんですが、昭和36年には滝田工芸一軒となり、現在もその技法を守っています。
展示は、2代目 滝田信吉氏のお写真で紹介する花巻傘の製作工程。
展示してある道具類は、実際に使われていたものだそう。
和傘に雨粒が当たる音を聞くことができます。総合文化財センターの副所長さん自ら集音されたのだとか。
「開けば花、閉じれば竹」和傘の美しさをたたえる言葉の所以がわかる和傘の仕組み。
コゲからは、あぶって温め、たわませていたことが窺えます。
一度途絶えた和傘づくりを研究会で再興させていたが、その研究会も今年で解散となってしまうとのこと。
守り伝えていくことの重要性と、むずかしさを伝えます。
童話村ライトアップのために3代目 滝田信夫氏が製作した花巻傘。
瀬川京染店の瀬川卓哉氏が染めをほどこした成島和紙が貼られています。
洋傘の急激な普及により数を減らしてしまった和傘ですが、その芸術性を高め、世界中の人々に感動を与えています。
展示に関連したイベントにも注目!
会期中、より身近に感じていただくため、実際に花巻傘を差して散策する使用体験ができます。
花巻傘の重さ、におい、光の透け方、、、さらには雨天時にも貸し出し可能ですので、ぜひ傘に当たる雨音を体感ください。(申し込み不要)
そして、実際に花巻傘職人の滝田信夫氏から学ぶ製作体験も!
製作体験
7月6日(土) 13:30~ 壁掛け傘製作体験 参加費2000円~
27日(土) 13:30~ ミニ傘製作体験 参加費4000円~
※どちらも、成島和紙の染紙を使用する場合はプラス1000円
先着20名ずつとなっております。お申込み、お問い合わせは花巻市総合文化財センター(0198-29-4567)まで。
ミニ傘の製作体験は、この企画展で初めて開催される体験メニューとなっています。
ぜひ、世界にひとつだけの、自分だけの傘づくりに挑戦してみてくださいね!
花巻傘製作実演
8月17日(土)の13:30からは、普段はなかなか見ることができない職人による製作実演もありますので、ぜひ足をお運びください。(申し込み不要)
【令和6年度花巻市総合文化財センター企画展】
城下の手仕事 花巻傘
日 時:2024年6月22日(土)~8月25日(日) 9:00~17:00(入館は16:30まで) 会期中無休
会 場:花巻市総合文化財センター
岩手県花巻市大迫町大迫3-39-1
Tel: 0198-29-4567
入館料:大人200円、小中高生100円(花巻市内の小中高生は無料)