まきまき花巻味わいたいお山カフェ アスチルベ
お山カフェ アスチルベ
514 まき
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ここは、花巻市大迫町の岳集落。
大迫の町から車で30分ほどの場所に「お山カフェ アスチルベ」はあります。毎年訪れる登山者たちが疲れを癒すとまり木のような場所です。

北上山地最高峰の早池峰山の麓に位置し、店内は鳥の声を聴き、木々を揺らす風を感じられます。

 

カフェが始まったきっかけ

こちらのカフェがオープンしたのは2017年、今から4年前。
元は昭和45(1970)年の国民体育大会の山岳競技の為に建てられた施設だったそうです。
カフェの隣には宿泊施設「早池峰ロッヂ 峰南荘」がありますが、こちらもその時の施設の名残があります。

登山者が多く集まるこの場所で、美味しい食事と珈琲を提供したいと立ち上がったのは、
オーナーの小国文子さん。

小国さんは集落のお母さんたちに声をかけ、最初は小国さんを含めて3人で始めたのだそうです。現在は、カフェスタッフは合わせて6人。宿泊施設は夜間勤務の男性が2人いて、繁忙期は知り合いを通じて人を集め、短期で働いてもらうことも多いのだとか。毎年1万人以上の方が早池峰山に登りにいらっしゃることを考えると大変な混雑ですね。
昨年と今年は新型コロナウイルス感染防止の為、シャトルバスがありません。麓の大迫の町なかまではバスが走っています。そこからは自家用車かタクシー、もしくは花巻駅や新花巻駅からレンタカーになります。


お店の名前である「アスチルベ」は、升麻(しょうま)という花の名前で、このあたりにも毎年夏頃に咲くのだそうです。由来はそれだけではなく、花巻ゆかりの詩人・童話作家宮沢賢治が書いた作品に登場します。

「春と修羅 第2集」に「北いっぱいの星空に」という書き出しの作品があるのですが、中盤に

Astilbe argentium
Astilbe platinicum

という部分があり、argentiumは銀、platinicumは白金の学名です。この2つのつく学名のアスチルベは今日には存在しないもので、賢治さんの造語ではないかという説もあります。
(参照:定本 宮澤賢治語彙辞典 原 子朗・著)

この作品が偶然オーナーの小国さんの目にとまり、賢治さんゆかりの地にふさわしいのではということで決まったそうです。

植物の名前ですが、なんだか星の名前みたいでもありますね。

 

登山目的の方以外はどんな方が訪れるのかを聞いてみました。

「早池峰神社に舞を奉納する方々がいらっしゃったり、自然を感じに癒しを求めて来る方もいます。すぐ下を川が流れているので、ぼーっと川の音を聞いていたりするだけでもいいと思います。」

なるほど、確かにそうです。
ここらは雨が降っていても晴れていても曇ってても、その時の山の様子を楽しめる世界が広がっています。

 

▲よく見ると、小鳥のための餌台が!食事をしながらバードウォッチングができます。

 

何度も来たくなるおいしそうなメニュー

さてさてお待ちかねのカフェメニュー!(*⁰▿⁰*)

本日のランチは、1日5食限定の「魔女ライスプレート」。こちらは平日限定です。

 

お豆、ベーコン、レモンソースが爽やかなライス、サラダ、チキンのタルタルソースがけ、松坂みそ入りヤンニョムチキン、ほうれん草の中華スープです。

実はこのメニュー、「魔女ピザ」「魔女パスタ」に続いてシリーズ3つ目なんだそうです。
それにしても、どうして“魔女”なんでしょう?

「山に登ったりここが好きで来てくれる女の人って、素敵女子の方が多いんですけど、雰囲気が魔女的というか、なんとなくそういう方がいる印象で。そういう方に食べてほしいなと思って考えたんですよ。」

そうだったのですね。聞いてみてよかった〜!
ん?それではこのメニューにある「山男セット」というのは…

 

 

「山に登った男性が腹ごしらえをするなら、がっつりラーメンでしょ!ごはんも食べるでしょ!というイメージでメニューを考えたもので(笑)」

☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆おもしろ〜い!!
そうきますか〜!
私はてっきり、宮沢賢治作品に出てくる「山男」のイメージなのかと勝手に思っていました。

 

そしてそして、外せないのがデザート

 

こ…これは!!選べますかみなさん(;´Д`A
難しすぎます、どれを選んでも間違いないです。
悩みに悩んで、今回はフォンダンショコラにしました。

 

濃厚で甘すぎず、抹茶のパウダーや生クリームの付け合わせともよくあってとっても美味しかったです!六根珈琲と一緒にゆっくりと楽しみました。

 

イベントや雑貨の販売

昨年2020年の10月、ここで夜の朗読会が開催されました。
昼の明るい雰囲気と違ってとっても素敵だったこと憶えています。夜の静寂と月明かり、聴こえてくる川の音が朗読の「銀河鉄道の夜」とぴったりで、素晴らしい時間でした。

 

アスチルベでは店内で物販もあり、珈琲豆や野菜、クラフト雑貨など心ときめくものが沢山あります。お食事のあとでゆっくりご覧になってみてはいかがでしょうか。

山登りをする方はもちろん、
早池峰神社へ参拝の方や周辺のキャンプ場へお越しの方
日々の疲れを忘れのんびりしたい方

空を見上げ川の音を感じ、風の音がきこえる
「お山カフェ アスチルベ」へ訪れてみてはいかがでしょうか。

 

ラジオでオーナーさんにインタビュー

さてさて、今回は新しい取り組みをやってみました(°▽°)
実は私、ラジオアプリで番組をやっておりまして。
その名も「たまごパンラジオ」。パーソナリティ「ごましお」として日常起きた事や好きなものの紹介などをしゃべっております。
そのラジオも10回目となり、思い切ってゲストを迎えてやってみたいと考え、「まきまき花巻」×「たまごパンらじお」のコラボを勝手にやらせていただきました〜!今後の記事でも挑戦したいと思っています。
ぜひ聞いてみてください。

たまごパンらじお #10 お山カフェ アスチルベにて

▲らじおの中で話に出てきたアナグマちゃんです

 

私が書きました
塩野 夕子

2018年9月、宮沢賢治が好きすぎて埼玉県から移住してきました。
まきまき花巻編集部と市民ライターの二足のわらじで活動しています。
現在は宮沢賢治記念館に勤めながら、大迫町の早池峰と賢治の展示館・2階にある「賢治文庫」も管理しています。アパートで猫とふたり暮らしです。