まきまき花巻見たい輝く棚田は、今も未来も
輝く棚田は、今も未来も
119 まき
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「また、来年ももう一度。」

そう文末を締めくくって、まきまき花巻の記事をひとつ書き上げたのが、ちょうど昨年の今頃。
そこでは、黄金色に輝く東和の稲穂と、そこをのんびりと走るランナー達、そして彼らを見守る東和の温かい町民達の様子について、レポートした。
そう、「東和棚田のんびりrun」だ。

 

砂子田ラン

 

あの時は誰も予想してなかった。
一年後の今、こんな社会になるなんて。誰かに会いたくても会えない、そんな世の中になるなんて。

しかし、世界ががらりと変わっても、東和町民のこの想いだけは、何一つ変わらなかった。
「また、今年ももう一度。」

今年はいつもとは違う年。悲しいけれど、たくさんの人たちを一斉に東和に集めるのは少々難しい。
そこで、東和町民達が棚田のんびりrunのいつものコースを巡る風景が、zoomを用いてライブ配信された。

画面越しに映し出されたのは、棚田をゆらめく金色の波、そしてそれを取り巻く広大な自然。
私の心の中の風景と、一つとして変わっているところなどない。この景色を見るだけで、東和で過ごした楽しかった思い出が、ひとつひとつ蘇ってくる。
これこそ、こういった時代ならではの「東和農旅」だ。

実況を務める「東和まほろばレディース」の皆さんが、東和にまつわるクイズを交えつつ、東和の元気な様子をリポートする。

 

東和を象徴する文化財、丹内山神社、旧小原家住宅も健在だ。
もともと深い歴史の刻み込まれた彼らは、昨年からさらに一つ齢を重ね、より厳かさを増したようだ。
来年の2月には、また味噌づくりに行けるだろうか―。

 

 

そして、何より嬉しかったのが、稲穂よりも輝く、みんなの笑顔、笑顔、笑顔。
棚田の中を駆ける昨年の表情そっくりそのまま―いや、もっと光っているかもしれない。

 

あの人はどうしているだろうか。元気にしているだろうか。
東和のみんなは、私のことを覚えていてくれるだろうか…
私がひとりでに抱いてたそんな不安を、一瞬にして取り除くような笑い声が、パソコン越しに響き渡った。


東和は今も、元気なんだ。

こうして、1時間の中継はあっという間に過ぎ去っていく。
最後は、東和まほろばレディースの皆さんが絶景棚田スポットにゴール。
そう、ここは、私が訪れる度にその風景の壮大さに息を呑んだ場所―砂子の棚田だ。

遠くにいる私が東和の棚田を楽しめる、こんな素敵な企画が実現したのも、東和温泉はじめ、地域の方々の熱い思いと協力あってこそだ。

この日のために尽力された方々に、ただただ感謝するしかない。

 


ここで、この中継の途中途中で出題されていた、東和にちなんだ7問のクイズの優秀者への景品が発表される。
それはなんと、来年の棚田ランへの無料招待券だという。


…今日のこの1時間は、来年へとつながっているんだ!

 

ぷつん。

 

すると、突然笑い声が止んだ。

…あっ、ここは、東和じゃない。東京の家の中か。

 

コツ、コツと、静寂の中に時計の針を刻む音だけが響き渡る。

そこには、郷愁のような寂しさもあったが、未来を感じさせる温かな余韻も、確かにあった。

 

昨年のように全国から多くの方々を呼んで、東和ならではのこびりを振る舞えなかったのは、ちょっぴり残念だ。
きっと、私のように、また東和に行きたいと願いつつ、それが叶わなかった人たちが、日本のどこかにたくさんいるに違いない。

だからといって、何もしなくては、せっかく毎年と変わらないたわわの実をつけて旅人を迎える準備をしていた稲穂たちが、かわいそうだ。
でも、こうした形で画面越しにいろんな人達と会うことができた彼らは、きっとまた例年どおりの元気を取り戻したに違いない。

 

 

そして、その様子をそっと東京の狭い部屋から見守っていた私自身も、東和への想いをより強くすることとなった。
7問のクイズの景品。「無料」はもちろん嬉しいのだが、それよりも、「来年」があるということが、何にも勝る未来への希望だ。

また、来年こそは、もう一度。

私が書きました
まっちー

神奈川県横浜市出身、26歳。2年間の期限付きで、2018年4月から2020年3月まで岩手県に出向。現在は東京在住。ご縁あって花巻市、中でも東和町の大ファンに。