花巻市東和町の土沢商店街は、釜石街道の宿場町として栄えた歴史を持つ、レトロで温かい雰囲気の商店街です。年2回、春と秋に開催される「土澤アートクラフトフェア」の時には、真っすぐ進めないほどの人出になりますが、普段はのんびりとした空気が流れています。
商店街が始まる北側にある鳥居をくぐり、ゆるやかな坂道を登っていくと、木々に囲まれた鏑八幡神社(かぶらはちまん神社)がすぐに姿を見せます。
ライターのまりかさんが「花巻・鏑八幡神社の夏詣 花火きらめく“クリームソーダの切り絵御朱印”」という記事で神社を紹介していますが、もう一つ、皆さんにお伝えしたいものがあります。
それは、鏑八幡神社の入口に立つ 青い目の狛犬 です。
長い間、「狛犬」は犬がルーツだと思い込んでいましたが、もとはインドや中国の獅子像だそうです。花巻の狛犬たちは、勇ましく凛々しい表情のものから、おかっぱ頭のように見える可愛らしいものまで、実にバラエティ豊か。
神社に立ち寄った時には写真を撮って少しずつ収集中ですが、青い目の狛犬は全く想像していなかったので、初めて見た時には驚きました。
同時に、宮沢賢治さんの「星めぐりの歌」がふっと浮かびました。目の部分はタイルのような物か、着色されているようです。どこか賢治さんの世界を思わせるようで、きっと何か関係があるのでは、と思いました。
さっそく神社の方に伺ってみたのですが、特に記録は残っていないそうです。作り手の職人さんのセンスによることもあるのだとか。どんな方が作ったのか、どうして青い目にしたのか、他にも同じように青い目の物を作られたのか。どこかに別の青い目の狛犬さんがいたらいいなぁ・・・想像が広がりました。
階段を上がり境内へ向かうと、やや小さめの狛犬さんが鎮座しています。
もとは勇ましい表情だったのだと思いますが、角の取れた表面に時の流れを感じます。後ろに回ると日本犬の巻尾のようで、「かわいいなぁ」と感じてしまいました。
こちらも作られた時期やルーツは正確にはわからないそうです。台座には「奉納」「敬白 諸願成就」「酒屋 儀兵衛」と刻まれており、土沢商店街に関係のある方からの奉納でしょうか。

長々と狛犬さんを眺めていると、カマキリが体をゆらゆらと揺らしながらこちらを見ていました。木々にはたくさんのセミの抜け殻が付いていて、商店街から少し入っただけなのに、自然の濃さを感じられます。
商店街の散策のついでに、鏑八幡神社にも立ち寄ってみてください。 入口の青い目の狛犬さん、そして境内のもう一対の狛犬さんが、変わらぬ表情で静かに迎えてくれます。 土沢の空気の中で、そっとその佇まいを味わってみてください。季節ごとにお参りをしてみるのも、良さそうです。













