まきまき花巻体験したい移住者は裸の男と炎のまつり「蘇民祭」に参加するべし?
移住者は裸の男と炎のまつり「蘇民祭」に参加するべし?
4 まき
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こんにちは!花巻の地域おこし協力隊の櫻庭です。 2016年10月より東京から花巻に移住してきました。よろしくお願いいたします!でも、普段は花巻市役所内で仕事ばかりしているためか、イマイチ花巻に住んでいる地元の方々と心の距離を感じています。その悩みを友人に相談したところ「蘇民祭(そみんさい)に参加していないからだ!」とアドバイスされました。そこで、「蘇民祭」についてどんなお祭か調べてみました。楽しそうなお祭だと良いな~♪

 

裸の男と炎のまつり「蘇民祭」とは

黒石寺蘇民祭の様子

▲黒石寺蘇民祭 -燃えさかる炎の上で気勢を上げる柴燈木登り(ひたきのぼり)-出典:奥州市観光サブサイト おうしゅう旅浪漫より

調べてみると蘇民祭は岩手県内各地で実施しているお祭で一番有名なのは、岩手県奥州市の黒石寺蘇民祭。旧正月7日に五穀豊穣、無病息災を祈って行われ、日本三大奇祭や日本三大裸祭に数えられることもある、1,000年以上の歴史を有している歴史あるお祭だそうです。

ちなみに裸で祭りをすることは、病気平癒や五穀豊穣の願いのために神仏の前では生まれたままの姿で立つという思想に由来しているそうです。冬の雪が降り積もる極寒の中、ふんどし一丁の姿で「ジャッソー!」「ジョヤサー!」の掛け声で水に入り身を清める「裸参り」や燃えさかる炎の上で気勢を上げる「柴燈木登り(ひたきのぼり)」、護符と縁起物の麻袋を集団で奪い合う「蘇民袋争奪戦」など、想像を絶する過激な行事が一晩中行なわれていくそうです。

……どうしましょう。東京から来て寒さにまだ慣れていないため、ダウンコートなど冬着を着ていても「寒い!早く春にならないかな」と感じているので、想像以上にレベルが高くて「参加したい!」といった気持ちが全く生まれてきません(ちょっと引き気味)。経験した人に聞いてみると「一人だと寒いと思うけど、みんなと一緒にやると寒さを感じないんだよね」という不思議な感覚に身を包まれた人もいれば「寒さで震えが止まらなくて二度とやりたくない」といった感想を言う人もいたりと様々でした。

 

光勝寺五大尊蘇民祭を見学

前年度の取り主が優勝旗を返還する様子

▲お山登り。前年度の取り主が優勝旗、その後、松明が続きます

黒石寺蘇民祭は残念ながら終わってしまっていたので「まずは自分の目で確かめよう!」ということで花巻の石鳥谷町で行われた光勝寺五大尊蘇民祭へ見学に行ってきました。前夜祭で既に裸参りや祈祷が終わっているので「お山登り」と「蘇民袋争奪戦」が始まりました。

激しくぶつかり合う様子

▲激しく奪い合う蘇民袋争奪戦。最初は笑顔だった人も徐々に厳しい表情に変化していく

身体から蒸気上がる様子

▲かけられた水や雪で身体から蒸気上がる

雪積もる丘を転げ落ちながらも奪い合う様子

雪積もる丘を転げ落ちながらも奪い合う

インタビューに応える小原さん

▲「家族の健康を願い、袋から手が離れたら、また掴むを繰り返し我武者羅で喰らいつきました」と誇らしげに語る小原さん

極寒の中でのインタビュー

▲インタビュー中、極寒の寒さのため身体の震えが終始止まらない様子

 

さて、蘇民祭に参加する?

人生でも忘れることができない経験を地元の方々と一緒に蘇民祭へ参加することはとても良いことだと思います。きっと「蘇民祭に参加したよ」と言うだけで地元の方々との心の距離が近づくこと間違いなしです!でも、大事なのは日頃から一緒に顔を合わせながら過ごす時間を積み重ね、共感時間を増やしていくことだと思います。なので私は焦らず、少しずつ距離を縮め仲良くなっていきたいと思います。(身体を壊してしまっては意味がないですしね…汗)

私が書きました
櫻庭 伸也

イベント、WEBメディアのディレクター職を経て、地域での暮らしに魅力を感じ移住。都市部と地域の人をつなぎ農業や食の魅力を伝えることを目標に現在は岩手県花巻市の地域おこし協力隊として活動中。自分が実体験したことを記事にしてお伝えしていきます。