大迫町(おおはさままち)に、昨年10月、ポップな見た目でひと際目立つ宿泊施設「はやちねの宿 ラビット」(以下「ラビット」という)がオープンしました!!
運営しているのは、「キハダ日和」代表の黄川田玲さんと、マネージャーの畠あきらさん。
年齢も境遇も違った、そんなお二人にインタビューをしてきました!

素泊まりから一軒貸し切りまで、大迫を感じながらまったり過ごすことのできる宿です。
2024年11月に空き家を購入し、ご自身たちでDIYされたそうです。
まず中へお邪魔すると…。

つい「ただいま~!」と言いたくなるような安心感🤤
ラビットの”顔”となるリビングです。なんともレトロ漂うお上品な空間…!
大迫は、かつて宿場町として栄えた町ということもあり、大正・昭和レトロな雰囲気をコンセプトに家具を揃えたのだそうです。



友人や知人から譲り受けたレトロ家具や雑貨も多くあるそうで、遺されていた当時のモノがこうして令和の時代に巡り巡ってくるのは素敵なことですね💭
中には、古くの貴重な海外の棚なども…!
棚には大迫の内川目小の鉄瓶や神楽のオブジェ、大迫のワイン瓶などが飾られていて、さりげない大迫愛にきゅんとしました😳




▲地上波からNetflixまで、自由に視聴できます📺
食事は、お好きなタイミングで自炊🍚常時自由に使えるフルキッチンがあります。まちなかのお店で外食もいいですね!
客室は、混合ドミトリー(4名)、和室個室1室(最大2名)。
お二人にルームツアーをしていただきました♪
まずはこちらの和室。

ブラウン管テレビに懐かしのテレビゲーム…!ちゃんと遊べちゃいます!
世代的に懐かしいと楽しまれる方はもちろん、物珍しく感じる若者にも盛り上がるそうです。家族や友人とワイワイ過ごしている宿泊者さんの姿が浮かびます😌
こちらが空き家になる前は印刷会社だったため、昭和40年代の懐かしさ感じるチラシもたくさん残っていたのだそう。


続いて寝室。まず見えたのは銭湯でよく見るコインロッカー!どこまで遊び心があるんだッ!とグッと来たわたし🥹
二段ベッド×2の4人部屋です。


現代風のシャワールームや洗面所、お手洗い。快適に利用できます!
ゆっくり入浴したい方は、車で2分ほどの場所にある銭湯を楽しんでも◎
なんと案内の札は、かつて食堂だった場所のメニュー札を活用!




昔ながらのボードゲーム。こちらで遊ぶこともできます!グループで盛り上がりますね♪
「キンケシだ!!生き残りゲームも小さい頃よく家族とやってました!」とテンションが上がるわたし😆「え、何歳?(笑)」と驚かれました🙃


ここまでご覧いただいたように、素敵な宿。
完成までのお話を、お二人に伺いました。

【 黄川田 玲さん】
ラビットを運営する「キハダ日和」代表の黄川田さんは盛岡市出身。
なぜ、地元でもない自然豊かな大迫で、宿を始めようと思ったのか?
20代という若さで、宿の運営と県内移住を決断した、これまでに至るエピソードを伺いました。
黄川田さんは、埼玉県の大学へ進学。その研究旅行で訪れた沖縄県で、地域に根付いた民泊に触れ、観光業に興味を持ち始めたのだといいます。
当初、自分ごととして深くは考えていなかったものの、密かに抱いていたその興味を胸に、大学卒業後、岩手県へ戻って大学院に進学。
ワイン好きの教授に勧められ、大迫で行われていたワークショップに参加。
このワークショップこそが、後のパートナーとなるもう一人の立ち上げ人、マネージャーの畠あきらさんとの出会いとなりました。
畠さんと出会った黄川田さんは、「民泊をやってみたい」というかねてからの思いを伝えると、それを受け止めるように「いいね!じゃあやってみようよ」と畠さんが即答。
その一言をきっかけにふたりの仲は深まり、大迫で地域おこしなどに携わるうちに人との繋がりも増え、その地域性に惹かれた黄川田さんは大迫への移住を決断したのだそうです。

【 畠 あきらさん 】
ラビット運営のマネージャー畠さんは花巻市の大迫出身。
かつて消防士として盛岡市で30年を過ごし、早期退職をして旅に出ました。
帰省は、地域のお祭りなどのイベントがある時に日帰りでする程度で、幼少期は「何もないこの田舎から早く出たい」とさえ思っていたといいます。
旅先で様々な広い世界を見聞きしたのち、大迫へ戻りUターン移住。
そして、帰郷した際の”変わらない地元の景色”に胸を打たれたのだそうです。
永く語り継がれる伝統芸能の早池峰神楽や、日本百名山のひとつでもある美しい早池峰山、豊かな風土で作られるブドウ、そのブドウで作られた芳醇な香り広がるワイン…生まれ育った地の「当たり前」の魅力に気づくことができていなかったと、改めて実感したといいます。
それから畠さんは、自身の故郷について一から勉強し直しては、魅了されていく…。
「大迫に恩返しがしたい。魅力を伝える発信源になりたい。」そう感じ、大迫のイベントやワークショップに参加するようになりました。
そしてここで、畠さんもまた、黄川田さんと出会うのでした。

ふたりが地域おこしの活動に携わっていくなかでよく耳にしたのは、「大迫に宿泊できる場所があったらいいのに」という声。
神楽を観に来る方や登山をする方など観光客も多い大迫。人気のワインも揃っているため、お酒を嗜みながらゆっくり夜を過ごしたい方も多いことでしょう。
このもったいなさを解決できないものかと感じていたふたりは、ついに立ち上がります。
宿泊施設を作るにあたって、まずは物件探しからスタート。彼らの条件やイメージに合う物件をやっとの思いで見つけ、空き家を購入したそうです。
物件を手に入れたものの、床は劣化し、外は雑草やつるだらけ。除草作業からスタートし、床をすべて剥がして断熱材を入れるなどのDIY作業…ふたりで協力して内装づくりを進めていきました。
しかし、もちろんすべてが順調だったわけではありません。
ほぼ一からの修理やDIY、そして事業計画書の作成や手続き関係が計画通りに進まず苦戦。完成が見えない毎日。
「早くオープンしなければ」と逸る気持ちから、ふたりは本音で何度も衝突したといいます。

二回り歳の差があるふたり。当然、出身地も、経験してきたことも全く違います。
親子とも言える歳の差だけれども、上司と部下という関係でも、友だちと呼べる関係でもない。
だからこそ、それぞれの世代にしかない意見を率直に出し合い、互いに学び合う。時には、考えが異なり正直にぶつかり合う。
こういった経験から、現実的に周りが見えてきて心の余裕もでき、万が一失敗した場合も互いに代替案を提示し合って円滑に対処できるようになったと、お二人は仲睦まじく語ってくれました。
お互いを尊敬し合うふたりの関係性でしか言い表せないような、かけがえのない相棒といった存在なのだと感じます。
ラビットが完成した今、大迫を感じながらゆっくりと心を休められる場所になればと語ります。
大迫愛に溢れたふたりから”大迫の魅力を教えてもらえる場”にしていきたいと、ふたりは目を輝かせていました。

外へ出てみると、右手に見えるのは、向山展望台にそびえ立つ「権現様(ごんげんさま)」。
権現様とは、神の仮の姿なのだそう。ラビットを、このまち全体を、見守ってくれていることでしょう。






