まきまき花巻行きたい林の中の小さなギャラリー
林の中の小さなギャラリー
204 まき
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花巻市の西の郊外、花巻南ICからさらに見渡す限り田園が広がる道を行くと、片隅の雑木林の中に小さなギャラリーがある。2007年7月に、自らも絵を描き、東京の新象作家協会に所属する渡辺文子さんがOPENした小さな個人ギャラリー「BUN」だ。絵を描くのも、観て歩くのも好きだった渡辺さんが、その趣味の延長線上で始めたギャラリーとのこと。ギャラリー名の「BUN」はもちろん「文子」さんから取っている。

奥のギャラリースペースはこじんまりとしていながらも、綺麗な白壁で絵が映える。個展など何もないときは個人所有の常設展示をしているとのことで、訪れた日もBUNさん所有の絵がかけられてあり、コラージュものをはじめとして、抽象画好きらしいBUNさんの好みがよくわかる。もちろん貸しギャラリーとして個展なども受け入れており、昨年はほぼ切れ目なく需要があったとのこと。

入り口を入ってすぐはグランドピアノが置かれたカフェスペース。ミニコンサートなども行うらしいが、カフェスペースは天井を吹き抜けになっているため音も響きそうで、四方から音楽に包まれそうだ。

カフェ営業にもBUNさんの思いがこもる。「絵が好きな人同士で語り合う場がなかなかないので、ここがサロンみたいになるといいなと思っているんです」と、眼鏡の奥の優しい目で答えてくれた。しかし小さなスペースなので、絵を語るサロン以上に、訪れた人同士、知らない同士が交流できる場にもなっている。静かに流れるJAZZが心地よく、ついつい長居してしまう。

絵画好きだけではなく、知らない方との交流や、目の前に広がる田園風景を眺めに行くのもいいだろう。きっと日常溜まった心の凝りがすーっと落ちてくのを感じるはずだ。

私が書きました
北山 公路

出版プロデュース、企画・編集のフリーランス。
花巻に生まれ育ち、今も花巻在住。東京の出版社の仕事と地元の仕事半々を花巻でこなす。2017年春から「花巻まち散歩マガジン Machicoco」を創刊し、隔月発行継続中。