24歳、同年齢というだけで集まった若者たちが面白いイベントを作り上げた。題して「マルカンビル大食堂100品制覇食レポプロジェクト」。マルカンビル裏で焼きいも屋を経営する、弘前大学大学院生の榊原亮さんが、岩間さん、川村さん、佐藤さんの同い歳4人で「何か面白いチャレンジがしたい」と立ち上げたイベントだ。面白いのは、この4人の中で地元花巻生まれが市職員の岩間さんだけというところ。榊原さんは1年前にリノベーションスクールがきっかけで花巻へ移住してきているし、川村さんは矢巾町在住。ライターの佐藤さんは現在盛岡に住んでいて、この春にも花巻に移住する予定だ。そんなあちこちから花巻に集まったチームがマルカンビル大食堂を核にして、新しいアクションを起こした。
実は24歳は彼らだけではない。昨春花巻で行われたハッカソンというイベントを岩間さんたちと一緒に主催した及川さんは、現在住んでいる東京から参加して受付を手伝っていたし、当時ハッカソンに参加した菊池さんはこのイベントのために、現在住んでいる滋賀県からやって来た。川村さんとかつてマルカン応援プロジェクトを主宰していた内田さんも当日は就職先の東京から駆けつけてきている。そんな若いパワーが97名という参加者を集めたというのは驚きだ。
このイベントを考えついたのは、例えば検索エンジンで「マルカンビル大食堂」を検索するとナポリカツやソフトクリームなど定番メニューがたくさん出てくるが、実はこの食堂に150ものメニューがあることは案外知られていないのではないかということ。「定番以外のメニューにもスポットを当てたい」「検索エンジンでトップに来る食レポサイトを立ち上げたい」が動機だった。自分たちだけで100以上のメニューを食べることは難しい・・・それなら参加者を募ろう・・・ということだったとのこと。
当日は、事前に希望を集めていた「そば」「すし」「定食・丼」「ソフトクリーム」「デザート」「ラーメン」などのジャンル別にテーブルを分け、そのテーブルの中でメニューが書かれたくじを引く形。長年マルカンに通ってきた花巻人も初体験のメニューがあったり、知らない同士、同じテーブルの中で注文を決め、代金を集めながら仲良く話したり。単に食レポを書くだけではない、思ってもみなかった楽しさだった。とにかく集まった100人近い人たちがみんな笑顔だったことが印象的。そして当日はスペシャルなお土産も。普段マルカンビル1階で売られているナポリカツやソフトクリームの食券を模したメガネ拭きが、この日だけ特別にその人が食べたメニューの食券を模したものになっている。ここまで考えて準備したことにも驚いた。
子ども連れ、家族で参加の方々の微笑ましい姿や、おじさんがスイーツを食べる姿、メガカツカレーのボリュームに周囲の方々が目を丸くしていた姿など、とにかく写真に収めたい光景がたくさんあった。当日はマスコミ各社も集まっていたが、記者やカメラマンの方々もみんな笑顔。このイベントを企画し、実行に導いた主催者に感謝の時間だった。
主催した彼らの発想と行動力も素晴らしいが、それに加え、彼らの呼びかけに反応し「面白い」と集まる方々が花巻にこれだけいたことも驚き。面白がり、行動し、体験するという活性化が、花巻のまちの中に確実に増えて来ていることを実感した。さらなる今後の若者たちのチャレンジにも期待。
主催者たちが作る食レポサイトは1ヶ月後を目安に公開される予定とのこと。それもまた楽しみだ。