伝承六百年「白猿伝説」・・鉛の湯遠景(現鉛温泉) 昔々、ここで遠野の商人は天狗に出会った!?
民俗学の元祖、柳田国男先生が民俗学という学問分野の存在を広く世に問うた、名作・遠野物語。
この遠野物語の続編という形で25年後、刊行したのが「遠野物語拾遺」であった。
読んでみたい方は『新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺』 柳田国男著 を見てもらうのが良い。
遠野物語が平安時代以来の格調高い文語体で書かれているのに対し、拾遺の方は平易な口語体に終始している。
文体にこだわれば、遠野地方で話者と呼ばれる人が語る「昔あったずもな」から始まり、ズーズー弁を駆使して終わりを「どんどはれ」で締める、方言体を加えてもいいのではなかろうか。
文語体は格調高いけれど、ちと難解。口語体は我々現代人にはスムーズな印象だが、どこか物足りない。昔あったずもな、どんどはれの方言昔語りこそ、これ我が古郷なのだと強く思わせられる。
さて、余談の話はさて置きぬ、と申し結論。
遠野物語拾遺、第98話の中に遠野の米屋商人、万吉という人が花巻の鉛の湯(現鉛温泉:藤三旅館と思われる)に湯治に行き、湯船で天狗と出会った話が書かれてある。
藤三旅館正面玄関 - 昭和16建築の粋と贅と趣き
旅館名物「白猿の湯」--最深1.25m! 立って入る日本一深い自噴天然風呂
同じく拾遺99話にも、花巻に住んでいたという清六天狗云々の事が書かれており、なんと花巻は天狗と呼ばれる妖怪の古郷かと、思わせられます。
天狗の面(神楽面)