「ばっけ」ってみなさん聞いたことがありますか?
実は関東出身のわたしは、花巻に移住して初めて知りました。
「ふきのとう」のことだったんですね。
両親は群馬県と新潟県出身でしたが、埼玉県育ちのわたしは、ばっけを食べたことがありませんでした。天ぷらにすると美味しいけれど、ちょっと苦いらしい…というのが印象としてありました。
「ばっけ味噌」というものを初めて知ったのは、橋本愛さん主演の映画「リトルフォレスト」を見たときです。確かこの映画、岩手県奥州市を舞台に撮影されたんですよね。花巻市に移住する前から大好きで何度も見ていました。この映画をきっかけに移住したいって思った方、多いんじゃないかなぁ。
あるワンシーンで、「ばっけ味噌ならご飯何杯でも食べられる!」というセリフがあって、そんなに美味しいのかぁ…とぼんやり思っていました。
ばっけ味噌作り体験
そして今回、花巻市東和町の「たかすどう産土(うぶすな)農産加工」のメンバーの菅野和さんから、
「今度ばっけ味噌を加工場で作るから、取材がてら遊びにおいで〜」
と声をかけていただきました。
これは…!本場のばっけ味噌が味見できるかもしれない∑(゚Д゚)
と考え、カメラをぶら下げて潜入して来ました。
ばっけ味噌作りは二日間にわたり、1日目はメンバーの方が持ち寄ったばっけを洗ってきれいにし、熱湯に重曹を入れた中にばっけを入れて茹で、水に浸してアク抜きをするところまでを行いました。
ここでひとつ「あれ?」と思ったのですが、
ばっけって、地面からひょっこり顔を出したばかりの芽キャベツみたいな形のを想像していたんですけど、茎と葉っぱの状態のものが多かったので、ちょっとびっくりしました。
どんな状態のものがいいんですか?と聞いてみると、
切ったところの茎が黒くなくて、葉っぱがいっぱいついているのがいいのだとか。
上についているお花は、苦いので取り除きます。
成長して茎が太いものや赤いものは、筋っぽかったり固かったりするそうです。
みなさんどんな所で良いばっけを採取するのか気になって聞いてみると、水路の近くがいいそうです。
すごい!さすがはベテランさんたちです。新米の移住者はひたすらヘ〜へ〜言ってました。
途端にばっけ独特の春の匂い!!
不思議と懐かしい気持ちになります。
翌日、トントントンという包丁の音が聞こえてきます。
昨日休ませておいたばっけを刻んでいるのです。そこらはもう、ばっけのいい匂いでいっぱいです。
ばっけ味噌は好みもありますが、「多少ばっけの歯応えがあった方がいいんじゃない?」
ということで、少し粗めに刻みます。
さてさてお次は、調味料の用意。
味噌、酒、みりん、砂糖の分量を測り混ぜ合わせます。
刻んだばっけと混ぜて、大鍋で焦げないようにかき混ぜます。ときどき味見をしながら、「少し甘い、味噌を足そうか」など、調整していくのです。
朝から始めた作業も中盤。
ここで小昼といきましょう🍵💕
珈琲と干し柿とお煎餅でひと休み。さらっと出てくるお茶請けがとっても美味しいのです。
わたしもいつか「これ作ったんだけど食べて食べて〜」と言えるようなものが作れるようになりたいですね。
いよいよ、荒熱をとっておいたばっけ味噌を真空包装する作業が始まりました。
計量しながらどんどん進みます。みなさんさすが!手際がいいこと。
あとは氷水に浸けて冷まし、水気を拭いて箱詰めしてひと段落です。
2日間のばっけ味噌作りがようやく終わりました。
こんな苦労をして、美味しいばっけ味噌が出来上がるんだなぁとしみじみ感動…(*´-`)✨
お手伝いをしながらの取材だったので、出来上がったものが自分の子どもたちのように愛着が湧きました。
「たかすどう産土農産加工」のメンバーのみなさんも、とっても親切に色々教えてくださいました。コロナ禍で一年以上家族に会えない中、なんだか実家で家族と話しているような温かい気持ちになり、とても嬉しかったです。
その後、ばっけ味噌の食べ方について調べてみたのですが
・白いごはんにのせる
・焼きおにぎりに塗る
・そのままお湯を注いで即席味噌汁にする
・パスタやピザにのせる
・湯豆腐や風呂吹き大根につける
・酒の肴にクラッカーにつける
などなど、美味しそうな食べ方がいっぱいありました。
たかすどう産土農産加工の商品は、
・東和町の産直「あおぞら」
・道の駅とうわ
・マルカンビル一階の物産コーナー
で買うことができます。
みなさんぜひぜひご賞味くださいませ。