この簗ノ上(やなのうえ)リノベーションプロジェクトは花巻在住の高橋典人さんが「みんなでつくる大人のほっこり場所」を目指し、花巻市東和町小友地区の古民家をみんなでリノベーションを行うことでカフェスペース、ドックラン、野外ステージ、グランピングなど大人がほっこりする場づくりを2019年秋に完成を目標に今冬スタートしました。
完成までの様子にも価値があると考え、プロジェクト参加した花巻の地域おこし協力隊員が中心となり、リレー形式でそれぞれの視点や書き方でこの「まきまき花巻」で伝えていきます。この記事を通じて、リノベーションに関する専門的なことを理解するのではなく、参加してるメンバーが感じている「楽しさ」が伝われば嬉しいなと思います。
第1回2日目の参加メンバーは高橋典人さんと東和町により活気が出ることを目指している「東和農旅」のメンバーなど合計13名です。重機を扱うことに慣れていてリノベーションは何度も経験しているメンバーから、地域おこし協力隊のように何もかもがはじめてのメンバーなど多種多様なメンバーが集まりました。
前日に解体した土蔵の廃材を燃やしている炎を囲みながら本日の流れを確認してスタートです。
まずはカフェとして活用を検討している2つ目の土蔵から不要な材木を運び出します。一つひとつが歴史を感じるかなり重量感のある木材ばかりで長い木材は一人では運べない重さなので2人で運び出します。
土蔵の外では重機が「ガコン!ガコン!」と大きな音を立てて周囲は砂煙が舞い上がり、身に着けているマスクがあっという間に茶色くなります。
外に運び出した材木は再利用が可能なもの、そうでないものと分別しながら片付けていきます。最初は寒いと思い着こんできましたが、身体を動かし続けていると暑くなり汗をかき始めたので、みんな徐々に軽装になっていきます。こうした作業のときは重ね着が良いようです。
土蔵の中には今まで見たことが無い大人の胴周りよりも太い立派な柱があり、そこには当時の生活感を感じる手書きの文字が書かれています。どんな意味があるのか読みながら想像すると、当時の暮らしが見えてきそうでドキドキワクワクしてきます。
正の文字は何かを数えていたのでしょうか。
土蔵の中にある細かい端材まで丁寧に拾い上げると、こんなにスッキリとしました!
作業の合間に嬉しいのが「こびり」※や「食事」の時間です。参加メンバーがそれぞれ持ち寄り、美味しくいただきます!適度な甘さや塩分が疲れた身体に染みわたります。リノベーション作業中は気がつくと黙々と目の前の作業に集中して口数が少なくなりがちですが、この時間帯はみんなワイワイと会話を楽しみます。
※こびり:東北の方言。おやつ。
ご自宅の軒下で干した干し柿など、手作りのものもいただきました。
こちらは樽柿を塩漬けしたもの。渋が強く皮が硬いので海水程度の塩水に1ヶ月漬けたそうです。
お昼ご飯はうどん、おにぎりなどボリューム満点の食事をいただきました!身体を動かした後に食べる食事は本当に美味しいです。
おにぎりの中にいくつか仕込んであった当たりの「ワサビ入り」を食べた模様。食べた本人は苦しんでいますが、周囲からは笑い声があふれました(笑
普段は人がいないのに賑わってるからか、この辺りに住んでいる猫ちゃんが遊びに来てくれました。
みんな同様の紙コップを使用しているので名前を書いておきます。これで間違わないですね。
休憩が終わると午後はひたすら釘抜き。この作業は後々この木材を薪として使用するので不要な釘を抜いています。しかし、なかなか抜けないし、古い釘が多いので力を入れると釘の頭だけがとれてしまうなど一苦労です。時には複数人数で挑みます。
あまりにも大きい柱は重機とチェーンソーで人が運べる大きさに切断してからの対応です。
作業が終了すると2日間でこんなにスッキリ!昨日までここに土蔵や廃材の山があったなんて今では想像もできません。普段ここまで全身を動かしていないので心地良い疲労感があります。
最後に頑張ったみんなで記念撮影。
これからも簗ノ上(やなのうえ)リノベーションプロジェクトは完成に向けて毎月作業を行っていきます。世代も性別も全く違うメンバーが一つのことに向かって汗を流すのはとても気持ちが良いです。
靴は鉄板入りなど、ガチな服装が必要だし、気を抜けば怪我につながるので誰もができる訳ではないけど、今後、経験は問わずやりたい参加メンバーを都度募集していくと思いますので、参加されたい方は楽しみにしていてくださいね。(櫻庭伸也)
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