まきまき花巻体験したい大事なことは「感性」と「語彙力」!
大事なことは「感性」と「語彙力」!
3 まき
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みなさんこんにちは。
まきまき花巻で市民ライター兼編集部をしている「ゆきまど」と申します。

7月5日土曜日に花巻市のまなび学園(生涯学園都市会館)で開催された、まきまき花巻市民ライター講座に参加してきました。この日の花巻は真夏のような暑さで、向かう途中の車の中でじっとりと汗をかきました。まだ梅雨も明けていないのに、先が思いやられます。

今回の講座は、
プロの編集者 福永育子さんに「魅力ある文章」を学ぶ
というテーマで行われました。

市内外から市民ライター以外にもライティングに興味のある方が参加していました。
私は市民ライターとして記事を書くようになってもうすぐ7年になりますが、どうにも我流になってしまい、もっとよくしたいけれど具体的にどうしたらいいか分からないという状態でした。今回の講座で、改めて伝わる文章を書くということに向き合えたらと思い期待をふくらませていたわけです。

今回の講師、福永育子さんです。これまで編集者として多くの書籍や雑誌、ウェブなどの制作に携わって来られました。私は最初こそ緊張していましたが、ご挨拶をされた時から気さくな方だなという印象を持ちました。アニマル柄のお洋服やバッグも個性的でお洒落です。

ここからは講師の福永さんのお話で、★マークは私の所感です。

リード文(つかみ)についてのお話

180〜200字程度で、これから何を伝えるかが一瞬でわかる文章。季節を意識するのもおすすめで歳時記を一冊持っておくのもよい。そして、自分事として意識してもらうために「あなたはどう思いますか?」と書くのもよい。いきなり結論を述べることもある。時節柄、トレンディなニュースを引き合いに出すのも効果がある。

★ここまで聞いて、自分がリード文を意識して書いていなかったことに気がつき、お話に引き込まれました。自分の最近書いた記事は散文のような自由すぎる形で、なんだか恥ずかしくなってきました。と同時に、リード文を意識していたらどんなふうに書けたかなと思いをめぐらせます。

構成・展開について

記事を書く時には構成をまず考える。リード文を書いて仮タイトルを作り、小見出しをいくつ立てるかや、どんな写真を載せたいか箇条書きにしておく。
全体の文字数について、昔は2,000~3,000字が主流だったが、日本人の国語力が落ちてきて、今は1,600〜2,000字がサッと読める文章量になっている。なんでこんなに日本人は文章が読めなくなってきたのか。それはビジュアルから入る年代が増えてきていることもある。ただ、ビジュアルから入るとその印象が強いこともあり、行間を読むということがとても苦手になってきていると感じる。

★40代の私も耳が痛いし強い共感を覚えました。新聞は仕事の関係で読んでいますが、それがなかったらあえて購読はしないと思います。文章を読むペースも比較的ゆっくりで、分からない言葉や読めない単語は調べていますが、便利なスマートフォンに頼りっきりです。ビジュアルのことにしても、Instagramやショート動画が流行っている世の中を見ると顕著だなと感じました。

 

聞いているみなさんの顔つきもどんどん真剣になっていきます。

 

「起転結」の時代になってきている

昔は起承転結をそれぞれ400字程度でと言われていたが、今はとても慌ただしい時代で、私の感覚だと「起転結」の時代になっているように感じる。まずリードが200字、後の起転結は何に重点をおいて伝えたいかで変わってくるが、結論はあっさりでいい。

重要なのは「転」。読者は想定内の内容がダラダラ続くと、読み進めてくれない。そこで大事になってくるのが「変化、意外性」である。目的は中弛みを防ぐ、ハッとさせること。結論まで一気に読ませたいので、意外性が必要。

・意表を突く
・軽く裏切る
・逆説的な表現を用いる
・本題からちょっと外れたとことから突く

段落を変えて、「ところで、」や「そういえば、」は軽く話題が変わるので覚えておくとよい。

「わたしは〜、わたしは〜、」と思っていると独りよがりになり、読者には伝わらない。それは、伝えたいことが伝わるとは限らないから。常に一歩引いて俯瞰することを忘れないこと。

 

 

★今まで書いてきて、心当たりがあることが沢山ありました。「まさに自分のことだ」と思い、メモを取る手が止まりません。でも、こんな風に自分の足りていないポイントをどんどん教えてくださる先生に会える機会なんて、そうそうあるものではないと改めて感じました。言われないと気がつかないし、そうすることで伸びしろも見えてくるんですね。

そして、私が意表をつかれた内容がこちら!

・挑戦的にしてみる
・少し毒をもる
・色気のある表現

どれも自分が書く時には考えもつかなかった要素でしたので、メモを取る手が止まりました。
「ありきたりな文章ほどつまらないものはない」という先生の言葉を聞き、自分を鼓舞してくれていると熱いものを感じました。

そして、私が今日一で心を掴まれた内容がこちら!

・自分の好きなフレーズをノートに書く。本や雑誌、漫画、歌の歌詞、街でみかけたフレーズなど何でも書く。「自分が何を好きか」ということや、自分のアイデンティティーが分かるのでおすすめ。
・最後は人間力。その人がどんな日常を過ごし、感動し、楽しんで生きているか。そういったものが全部文章に現れてくる。実は怖いことでもある(^ ^)

 

終わりに

残りの時間は実際に文章を書き、講師の福永さんにひとりひとり講評をいただきました。
みなさんそれぞれ講座の内容を自分の中に落とし込み、向き合っていたことが伝わってきました。

前半の講義(※内容は大ボリュームにつき全ては載せておりません)に加え、自分の文章をプロの編集者さんに読んでいただき講評をもらうという、本当に充実した講座でした。またこういう機会があったら、参加したい!と思われた方も多いと思います。
まきまき花巻市民ライター講座では、現役の市民ライター以外に、興味のある方のご参加を歓迎しております。
次回の講座もまきまき花巻のサイトでご案内しますので、ぜひ参加してみてください。

 

 

私が書きました
ゆきまど

本と酒と山が好きな「ゆきまど」と申します。日本各地の文学館や独立系書店・古書店を目当てに旅がしたいと目論んでいます。花巻には2018年秋から暮らし始めました。