まきまき花巻行きたい新しい憩いの場
新しい憩いの場
182 まき
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花巻の中心である上町の入り口。今の人たちには「エセナ跡」だとわかりやすいと思うが、我々世代だとつい「花巻デパート跡」と言ってしまうこの場所に、今年7月「花巻中央広場」が完成した。T字路の真ん中ということで車も前に停められず、また駐車場を設けようにも交差点そばで渋滞も心配される。何かしらの施設を建てようにもなかなか難しい場所だったが、なにしろ一等地で目立つ場所だっただけにどんな場所に生まれ変わるのか注目していたが、イベントなども開催でき、子どもも遊べる公園となったことは納得。

実はここはかつて警察署があった場所。大正時代のことなので、賢治さんが生きていた時代だ。賢治さんの童話「毒もみのすきな署長さん」の主人公のモデルがここの署長さんかどうか定かではないが、実は一時期、私の親戚(祖母の伯父)がここで警察署長だったらしい。偶然の一致だろうが、もし賢治さんの童話のモデルが親戚だったら・・・ちょっと夢がある話だ(笑)その後この場所がどのような変遷をたどったのか詳しいことはわからないが、昭和ヒト桁生まれの母の話では川勝さんという魚屋さん(魚市場?)があった時期もあるとのこと。私が物心ついた昭和40年代頃から昭和50年代には花巻デパートで、よく行っていたので懐かしい。

さて花巻中央広場。段々になったベンチが上町通りを向いており、ゆったり通りを眺めるもよし、斜面になった滑り台やちょっとしたボルタリングのような突起が壁に設けられていて、子どもを連れて遊ばせるもよし。滑り台やボルタリングのようになった壁のそばにもベンチがあるので親たちも遊ぶ子どもを眺めていられる作りになっていて、憩いの場所にはぴったりだ。

加えて、花巻まつりの時も屋台が並んだように、様々な野外イベントも開催することができる。まちなかでのマルシェイベントなどは、周辺のお店にも波及効果があるだろう。オープニングにはここで結婚式も行われたが、そんな使い方も思い出になって楽しいだろう。

すぐそばには大堰川遊歩道もあるので、散歩コースとしてもバリエーション豊か。こういう場所が中心街の中にあるというのは、人を集め、まちなかを歩く人を増やす効果もありそうだ。観光客がここでひと休みしながら水を飲んだり、地図を広げたりという光景も今後見られるかもしれない。

私が書きました
北山 公路

出版プロデュース、企画・編集のフリーランス。
花巻に生まれ育ち、今も花巻在住。東京の出版社の仕事と地元の仕事半々を花巻でこなす。2017年春から「花巻まち散歩マガジン Machicoco」を創刊し、隔月発行継続中。