昨年の酷暑が嘘のような、涼やかな夏の始まり。
この季節に、心待ちにしていた1本の白ワインがあります。
岩手県のエーデルワインが誇る「五月長根 リースリング・リオン」。
1986年の初リリースから、日本ワインの歴史と共に歩んできたこの銘柄。41回目の発売となる2025年ヴィンテージがリリースされました。記録的な猛暑という自然の試練を乗り越え、鮮烈な個性をまとって産声を上げた新ヴィンテージ。グラスの奥に潜む、大迫(おおはさま)のテロワールを紐解きます。
2025年だけの鮮烈なアロマ

ワインの醍醐味は、ヴィンテージ(ブドウの収穫年)ごとに異なる表情を楽しむことにあると言っても過言ではありません。日照時間や降水量など、その年の気象条件がブドウの出来栄えを左右し、同じ品種であっても決して同じ味わいにはならないからです。
2025年の五月長根をグラスに注ぐと、まず立ち上るのは搾りたてのグレープフルーツを思わせる柑橘の香り。その奥には白い花を思わせるアロマが寄り添います。口に含むと、伸びやかな酸と凛としたミネラルがワインに緊張感をもたらし、果実味は最後まで透明感を失うことなく広がります。シュル・リー由来の厚みがワインに立体感を与え、心地よい余韻へと続きます。
前年の2024年ヴィンテージが、青リンゴを思わせる香りとやわらかな果実味に包まれた親しみやすい表情だったのに対し、今年は目の覚めるような鮮烈さを放っているのが印象的です。
エーデルワイン「五月長根リースリング・リオン2024」に宿る、岩手のテロワールとやさしい余韻の理由。
ワインにおいて、ブドウの酸は骨格を形作る重要な要素です。しかし気温が高いと、その酸は減少してしまいます。酷暑に見舞われた2025年は、美しい酸を確保するため、例年より半月ほど早く収穫が行われました。
一方で、成熟期に雨が少なかったことは、このヴィンテージにおけるハイライト。ブドウにとっては好条件となり、果実の凝縮度を高め、結果として例年とは一線を画す、目の覚めるような鮮烈な味わいへと結実したのです。
4つのテロワールが交差する

一房ずつ手摘みされた果実は、低温でじっくり発酵させた後、「シュル・リー」と呼ばれる工程に入ります。澱(おり)とともに熟成させるこの工程により、旨味や奥行きを引き出しています。そして、仕込みから約半年を経てようやく瓶詰めの日を迎えます。
このワインの奥深さを語る上で欠かせないのが、大迫町に広がるテロワールの多様性です。同じリースリング・リオンという品種でありながら、育つ地区によってブドウは驚くほど異なる個性を宿します。生き生きとした酸味を育む外川目地区、爽やかな味わいをもたらす内川目地区、絶妙なバランスを生む大迫地区、そして柔らかな口当たりを造る亀ヶ森地区。4つのエリアのすべてのブドウをブレンドすることでそれぞれの個性が交差し、ひとつの美しい調和を奏でます。
和の食卓と響き合う
1986年の誕生以来、愛され、受け継がれてきた「五月長根」。今年もまた、大迫の風土を鮮明に映し出した素晴らしいヴィンテージが誕生しました。
その味わいは、和食との相性も抜群。三陸の海の幸や、出汁を効かせた夏野菜のおひたしなど、涼を呼ぶ日本の夏の味覚を引き立てます。2025年という「今」しか出会えない鮮烈な個性。夏の食卓を彩る1本としてはもちろん、涼やかな贈り物としても、選んでみてはいかがでしょうか。

エーデルワイン|五月長根 リースリング・リオン2025
原料品種 岩手県産リースリング・リオン
アルコール度数 11.5%
価格 2,586円(税込)
五月長根シリーズ




