まきまき花巻行きたい花巻にカフェブーム到来?
花巻にカフェブーム到来?
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1970年代から1980年代、花巻市内には喫茶店(いわゆる純喫茶)がたくさんあった。市街地では50mに1軒ぐらいの割合で軒を連ね、郊外にもあちらこちらに点在していた。特徴もそれぞれで、大きなスピーカーを備えて音楽を聴かせる店やランチメニューが充実していた店、本格的なコーヒー店、ケーキ屋が経営していてスイーツが楽しみな店、ゲーム機目的で通う客が多かった店もあった。みんなそれぞれ行きつけの店があり、他の客や店主との会話が楽しかったりしたものだ。もしかしたらそれだけ生活に余裕があった時代だったのかもしれない。

都会を中心にバブル経済の花が咲き、その終焉とともに1軒また1軒とそれら喫茶店は姿を消し、当時から残る「喫茶店」は駅前のミリオン、吹張町の喫茶きょうらく、上町の喫茶あれい、花城町(市役所前)の喫茶ぶらんぐらいしか無くなってしまった。「喫茶店」という言葉も使われなくなり、今では「カフェ」が一般的だ。

ところが、2015年暮に小友ビルリノベーションによりJoe’s Loungeができてから風向きが変わってきたような気がする。その後ぽつりぽつりと新しい店がオープンし始め、喫茶ラパンの(経営者が替わっての)復活、おいものせなかカフェ、M@chou、Ji・Baカフェ、風人堂&meinn、Lit work placeなど、それぞれ違うコンセプトで営業を始めている。

2年前からのコロナ禍で飲食店が打撃を受ける中、この1年でまた新しいカフェが3店舗新規オープンしている。

 

2021年6月には鍛治町で「喫茶yae麩りん」。

店主は花巻出身。大学進学で花巻を離れた後、大手コーヒーメーカーに勤務し、定年退職と同時に帰郷して実家をリノベーションしてオープンさせた。「カフェというより喫茶店」という雰囲気にこだわり、長年専門家として携わってきたコーヒーの味は本格的。「まちのコミュニティになれば」と語っていた。元々おじいさんがこの場所で「焼き麩屋」を営んできたことから店名にも「麩」の字を使い、麩を使った創作料理のランチも人気。コーヒーには麩のラスクが付いてくる。

 

2021年12月には桜町にはカフェ「MISSING PIECE」。

大手コーヒーチェーンに勤めていたという店主が移住した花巻で自宅1階を使って開店。「日常に足りない1片をここで埋めて欲しい」とのネーミングらしい。オーガニックな焼きスイーツや、これまで花巻にはなかったランチのキッシュなども人気で、すでに常連客がたくさんいるようだ。おしゃれな雰囲気で、ここだけ別世界。

 

今年2022年3月に花巻市役所そばにできたのは「CAFE312」。

長いこと首都圏で仕事をしてきて、実家そばに帰郷。新築自宅の1階を使ってカフェを開店させたとのこと。栄養士をしていたらしく、ランチメニューも魅力たっぷり。特に花巻近辺には無いエスニック系の料理がうれしい。この店の魅力はロケーションも。大堰川の真上にあって、大きな窓から広い空や川辺の様子も見ることができる。ボックス席もいいが、窓辺のカウンター席でぼんやり外を眺めながらコーヒーを味わうのも貴重な時間になろう。

どうやらいま花巻に、新たなカフェブームが訪れているようだ。

【喫茶yae麩りん】
住所:岩手県花巻市鍛治町6-3
電話番号:080-5821-9049
営業時間:10:00〜19:00
定休日:日・月
HP等:https://www.facebook.com/people/yae麩りん-ふーりん/100071046161509/

【カフェMISSING PIECE】
住所:岩手県花巻市桜町1-391-6
電話番号:0198-41-3241
営業時間:水〜金11:00〜17:00・土11:00〜18:00・火11:00〜15:00
定休日:日・月

【CAFE312】
住所:岩手県花巻市花城町3-12
電話番号:0198-29-4156
営業時間:月〜金11:30〜19:00・土12:00〜16:00
定休日:日・祝
HP等:https://cafe312.net

私が書きました
北山 公路

出版プロデュース、企画・編集のフリーランス。
花巻に生まれ育ち、今も花巻在住。東京の出版社の仕事と地元の仕事半々を花巻でこなす。2017年春から「花巻まち散歩マガジン Machicoco」を創刊し、隔月発行継続中。