まきまき花巻見たい宿場町に伝わる雛まつり
宿場町に伝わる雛まつり
59 まき
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花巻の市街地から北東に車で30分。早池峰山を抱く大迫町がある。江戸期には南部藩城下町盛岡と、支藩である遠野南部氏城下町とを結ぶ街道沿いの大きな宿場町として栄えたところだ。現在も盛岡と遠野・釜石とを結ぶ国道沿いの要衝となっている。

とはいえ鉄道も高速道路も通っていない地のため、戦災にも遭わず、大規模再開発も行われていない地域。歴史を感じる建物や懐かしい雰囲気の商店街が残っていて、人々が穏やかに暮らしている味のあるまちだ。ここで「宿場の雛まつり」が行われるようになって22年という。

何しろ、かつて宿場町として隆盛を誇ったまちであり、老舗や旧家がたくさん残っている。当時京都や江戸から取り寄せたと思われる古い立派な雛人形たちがまだまだ家々にちゃんと保管されている。夏場は早池峰登山や特産品のぶどう、ワインを買いに来る観光客も冬場は少なくなる大迫町。そんな冬場に何か目玉となるイベントを企画しようと、家々に残っている雛人形に目をつけたのがきっかけだったそうだ。

大迫のまちの中心である商店街のあちらこちら、公共施設やお店、旧家などに大きく立派なひな壇を、それぞれ趣向を凝らして飾り、見学客はそれをみて歩けるようになっている。まち全体がひな祭りを祝い、それに合わせて大迫町内を中心に活動するちんどん屋「早池峰一座」も彩りを添えるイベント。(今年は師匠格である大船渡の「寺町一座」も応援に駆けつけ、普段は静かなまちが賑やかになる。

今年の「宿場の雛まつり」は3月3日で終了したが、例年2月下旬から開催される。来年はぜひ足を運んでみてほしいイベントだ。

 

花巻市内ではこの他にもひな祭りイベントが目白押し。

石鳥谷町八日市ではつるし雛まつりが2月中旬から3月3日まで。

花巻市博物館では長い歴史を持つ人気の土人形である花巻人形展が、今年は2月16日から5月6日まで。

市内13の温泉や旅館、ホテルではそれぞれの施設ごとに雛人形を飾る「花巻温泉郷の雛まつり」が1月中旬から3月初めまで行われる。冬の寒さが厳しい北国だが、春の気配を感じながら鮮やかな、あるいは厳かな雛まつり巡りはどうだろう。

私が書きました
北山 公路

出版プロデュース、企画・編集のフリーランス。
花巻に生まれ育ち、今も花巻在住。東京の出版社の仕事と地元の仕事半々を花巻でこなす。2017年春から「花巻まち散歩マガジン Machicoco」を創刊し、隔月発行継続中。