まきまき花巻行きたいただいま、いつもありがとう、東和の父ちゃん母ちゃんたち
ただいま、いつもありがとう、東和の父ちゃん母ちゃんたち
52 まき
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「おかえり、よく帰ってきたね!」
「まず座って、お茶っこ飲んで」

5/4夕刻、半年と少しぶりに私は土沢駅に降り立った。久しぶりの東和だけど、いつもの東和おもしろ作戦研究所(旧若専商店)で、実家のお父さんお母さんのようにみんなは私を待っていてくれる。

ただいま、今帰ってきたよ!

さあ、私は明日、土澤アートクラフトフェアのお手伝いだ。今日はいつもお世話になっている菅野徳主さん&和さんの「農泊徳さん」にお泊まりし、東和の山の幸で明日に備えて腹ごしらえをする。

新鮮で太っちょのアスパラ。春の名物行者ニンニクとマヨネーズをかければ、それだけで箸とお酒が止まらない。
自家製味噌をつくっている徳さんだからこそ味わえる、味噌の食べ比べも最高だ。ばっけ味噌の懐かしい香り、山椒味噌の爽やかな香り。同じ味噌でもこんなに違うんだ。
タラの芽のオリーブオイル焼きも、春の東和ならではの恵みの味だ。

さあ、貰ったエネルギーの分、明日は頑張るぞ!

翌朝、たっぷりの朝ごはんで栄養補給したら、和さんと一緒に土沢商店街へ出発だ。

10時にアートクラフトフェアが始まるや否や、土沢商店街は大勢の人の活気に満ち溢れた。

「東和農旅」のブースがある旧若専商店は、「東和ならでは」が盛りだくさん。
和さんたち「たかすどう産土農産加工」が作る9種類の四季のなめ味噌、小田さんのアイガモ農法のお米はもちろん、おでって工房のもちっとした米粉パン、シフォンケーキも大人気。「ほんのり甘くてとっても美味しい!」と、米粉パンはお昼になる前に売り切れてしまった。


歩き疲れたら、お抹茶セットや「梅サイダー」「紫蘇サイダー」「サボテンサイダー」「甘酒」といった冷たい飲み物で休憩もできる。

「谷内伝承工房館」で一生懸命手作りした、ロケットやゴムでっぽう、鳥の鳴き声のするおもちゃも子供たちに大人気。おじちゃん達から遊び方を教わって、みんな夢中になって的を狙っている。
子どももYouTubeやスマホのアプリで暇を潰しがちな世の中だけど、そういう時代だからこそ、こういう遊びの原点に立ち返ることもとても大切。
東和のおじちゃん達は、何を言わなくともその優しさでそのことを教えてくれる。

すると、不思議なQRコードを腹と背に掲げ歩く人たちがー。
9月に開催される「東和棚田のんびりRun」の実行メンバーだ。QRコードで秋の東和の美しい棚田動画を宣伝しつつ、ゴミ拾いなどのボランティアで土沢アートクラフトフェアの安全・安心を守ってくれている。

実行委員会の皆さんや出店者の皆さん、こうした東和の地元の皆さんがいるからこそ、アートクラフトフェアを毎年楽しむことができるのだ。

みんなとの交流を楽しんでいたら、あっという間に時間は過ぎていった。
初日4万9千人、2日目4万人。およそ9万人の方々が、ここ東和を訪れた。

片付けを終えたら、農泊徳さんに戻ってもう一仕事。春の東和に来たら、これをやらなくちゃ。
和さんに裏山に連れられ、ニョキニョキ生えたワラビをポキポキ採っていく。葉が伸びたのは固いので、ちょうどいいのを探してポキポキ。

採ったワラビは茹でて、木灰を振り入れた水に浸し、2日くらい水を換えながら苦味を抜いた後、均等に取り分けてゴムで束ねる。
ただ束ねるだけかと思ったら大違い!ワラビは一本一本太さも長さも違うので、根元を揃えて縛るのも一苦労だ。

和さんはじめ農家の母ちゃんには、毎度毎度頭が下がる。

「よぐ頑張ったね〜」
今晩の徳さんでは、アスパラと味噌のほか、ワラビや宮古で獲れたという毛がにのご馳走を頂いた。

カニの美味しさにも感動したけれど、1番忘れられないのは、和さんや東和の母ちゃんたちの働きぶり。私よりも早く起きて朝ごはんの支度をし、私よりも長くアートクラフトを手伝い、私よりも夜遅くまで夜ご飯の支度と片付け、明日の準備をする。

農家の母ちゃんには、本当に本当に頭が下がる。

東和の幸せのおすそ分けをたんまり貰った2日間。
翌朝の土沢駅では、釜石線に乗った私の姿が見えなくなるまで、和さんは手を振ってくれた。

2018年6月。初めて東和に足を踏み入れた私に、アカシアの花が乗った窯焼きのピザ、タンポポのサラダを分けてくれた。「あなたはもう東和町民でしょ」と言ってくれた。
その時から、私の心の住所はここ東和町だ。

あれからもう5年。何度ここに足を運んでも、新しい出会いと発見が私を待ってくれている。

これからもよろしくね。また帰ってくるべし!

 

 

 

私が書きました
まっちー

神奈川県横浜市出身。2年間の期限付きで、2018年4月から2020年3月まで岩手県に出向。現在は東京在住。ご縁あって花巻市、中でも東和町の大ファンに。