まきまき花巻行きたい多様な人たちが交流できる地域を目指して
多様な人たちが交流できる地域を目指して
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 今年8月、花巻市郊外の住宅地の中に新しいカフェがオープンした。花巻市文化会館そばにあり、広い店内が賑わっていたかつての喫茶店ラパンの建物をそのまま使い、新たな経営者を迎えての開店。店の名は「ココ・タベルバ・ラパン」という。

 新しい店を経営しているのは一般社団法人COCO-ARUBA。同法人はカフェオープンと前後して、他に3つの事業を立ち上げている。障がいのある人の就労移行支援や自立支援を行う「ココ・ミガクバ」、障がい者、高齢者、子育てなどの相談ステーションである「サポートスペース ココ・アルバ」、そしてワークショップや会合などで人々が集まれるレンタルスペースを運営する「ココ・イルバ」だ。

 もともとは代表を務める高橋早苗さんが障がい者支援事業を、実家である若葉町のエンドウ花店の2階で始めたことがきっかけ。「サポートスペース ココ・アルバ」にもつながる相談事業も兼ねていた。目的は障がいのある人や、高齢者など、さまざま多様な人たちが社会との接点を持つことができる場所を作りたいと思ってのことだったという。それをさらに具体的にしたいと、その方法論を求めて高橋さんの姉である照井智子さんが2017年に花巻市で開催されたリノベーションスクールに参加。そこで学んだことを生かしながら、多様な人たちが壁なく交流できる場所にすべくあちこちの物件を探し、実家にも近いここに店を開くに至ったとのこと。

 物件を見つけた今年春から具体的に行動を起こし、一般社団法人設立と4つの事業のほぼ同時立ち上げをやってのけた。中でも交流実践の場であるカフェ「ココ・タベルバ・ラパン」と隣接する「ココ・イルバ」は、たくさんの人たちに集まってもらう場にすべく、同店厨房を別に借りて総菜店を始めた佐々木朋美さんに料理の協力を依頼。ランチやお茶に多様でたくさんの人たちが集まる場にしたいとのこと。「障がいのある人や高齢者ばかりが集まる、いわゆる福祉カフェにはしたくないんですよ。それだと逆にそういう人たちを囲ってしまうことになる。誰でも、どんな人でも来ていいよ・・・という店にできればと思います」と話すのは、お話を伺った照井智子さん。「ココ・イルバ」もライブやママ友同士のコミュニティなど使い方をいま模索しているところとのこと。

「この場所は近くに小学校や学童クラブもあるし、デイサービスの施設もある。子どもやお年寄りも含めて多様な人々が共生できる地域にできればいいですね」と語ってくれた照井さんは、今後さらに事業をどう広げていけるか模索中らしい。人と人との間にある壁やハードルがなくなり、どんな人も構えることなく過ごせる地域ができたら、様々なトラブルも減るだろう。新しいコミュニティがここにできつつあることを感じた。

私が書きました
北山 公路

出版プロデュース、企画・編集のフリーランス。
花巻に生まれ育ち、今も花巻在住。東京の出版社の仕事と地元の仕事半々を花巻でこなす。2017年春から「花巻まち散歩マガジン Machicoco」を創刊し、隔月発行継続中。